9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
拙い夢は君しか知らないから、ちっぽけだと笑わずに、請うた誓いを守り抜いてと、抱きしめてくる不安定な存在に、ただ、願った。
SMALL PROMISE
『何処にも行かないで。』
小さな願いは其れで十分だった。君が何処にも行かないで、永遠に此処に居てくれるのなら、僕は他には何も望まないんだ。小さくて壮大な願いに、君は一体どんな顔をしているのだろうか。笑っているのか、呆れているのか、面倒な奴だと嘆息しているのか。けれどぎゅうと抱きしめられていちゃ、君の顔が見えない。無理矢理振り解く事も可能だとはいえ、そんな愚かな事はしたくなかった。抱きしめられている身体が心地良い。どんなに君が悪人でも、例え僕を謀ろうとも、此の腕の力強さの前では無力だった。
『・・・何処にも行かねェよ。』
背骨がみしりと音を立てるんじゃないかと思う程に更に強く抱きしめられて、それに合いまってそんな台詞を口に出すものだから、僕はぎゅうと目を閉じた。視界に広がる闇が、僕を覆いつくす。ああ、ばかばか。痛いよ、ばか力なんだから。でも手加減して、なんて言えないんだ。君の腕が僕を縛る度、拙い夢が叶えられた様な気がするから。不安定な存在が、今だけはとても安心出来る拠所に変わるから。
『何処にも行かないで。』
必死で請い続ける、ちっぽけな約束を、どうか果たしてよ。
何処にも行かないで。何処にも行かないで。何処にも行かないで。
それだけだった。
ああ、それだけだったというのに。
僕は願い事の仕方を間違えた。
何処にも行かないで、じゃなくて、僕も連れていって、なら。
そうしたら、このちっぽけな願いは叶えられていたのかもしれないね、と。
後から知ったって、もう遅い。
後悔先に立たずとはこの事だ、嫌になるね。
【ラヴカップルに10のお題】 :ユグドラシル 06:SMALL PROMISE
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君を想って流す涙の色は何色だろうか。
闇を想って黒く染まる。
血を連想して赤く染まる。
広大な海のようだと青く染まる。
瞳に射抜かれ灰紫に染まる。
そしてたまに見せる月明かりの様な笑みに黄色に染まる。
君は闇そのものだと言っていたけれど、
思い出せば豊かな色彩に溢れていた。
光の加減でエメラルドグリーンにも光る瞳と、
前世での褐色の壷惑的な君の肌と、
白銀の雪を思わせる肩までの髪と、
そしてやっぱり全てを覆う漆黒の闇と。
君が居た事実すら、黒く塗りつぶしてしまえたらいいのに。
心にぽっかりと開いた穴がじゅくじゅくと化膿して、全ての器官を侵す時、
堰を切って壊れる涙腺から流れる涙の色は、きっと代わり映えのしない透明なものなのだろうけれど。
思い起こせば豊かな色彩を持っていた君を想い、溢れる涙もまた、
思い出に染まる時、着色されていくのだろう。
それはまるで君の様に。
【ラヴカップルに10のお題】 :ユグドラシル 05:CLEAR TEARS
ちょっとアングラなので一応ワンクッション。やっぱり対したことはないです。
喘ぎ声を書くのも恥ずかしいチキンマイハート。
喘ぎ声を書くのも恥ずかしいチキンマイハート。
薬指から縛り付ける愛の枷。
羨ましいと思うのは、乙女チックな思考なのか、それとも、
PAIR RING
露店で見かけた玩具みたいな指輪から目が離せなくなって。
彼女に買ってあげなよと話しかけられて我に返った。
あげる相手いないからと苦笑交じりに言葉を返せば、男前なのに、なんて驚かれたけれど、もう既にその言葉は僕の心の上を滑り落ちていくだけだった。
あげる相手はいないけれど、もしも贈るとしたならば、たった1つで事足りるだろう。
二心同体。便利な世の中になったものだ。
僕の意中の相手は僕の心を勝手に巣食って、そのまま此処に居座ってしまった。何故そんな奴に惚れているのか、と問われれば、絆されているだけだと弁解したい。身勝手で傍若無人な最低な男に絆されている時点で、既にどうかしているのだけれど。
銀装飾のシンプルな飾り気無いリングが、僕の目線を奪い続ける。
露天商が『やっぱり誰かいるんでしょう』と言っている、その言葉もするりと零れ落ちて、意識の全てを持っていかれるんだ。
こんな簡単なもので君を縛れるのなら、それは願っても無い事だもの。
左薬指への重い枷を、君が僕の身体を乗っ取る度に苛んでくれるのなら、それはとても気分がいいね。
薬指から縛り付ける愛の枷。
羨ましいと思うのは、乙女チックな思考なのか、それとも、
君を縛りつけたい捕縛願望なのだろうか。
【ラヴカップルに10のお題】 :ユグドラシル 03: PAIR RING
聴こえなくてもいいから、ちゃんと聴いて。
聴こえたフリでいいから、こっちを向いて。
たかが愛の歌だと言って、馬鹿にしないで。
LOVE SONG
喉元を通り過ぎていく息はひゅうひゅうと虚しく空を切るだけだ。
言葉を紡ぐより先に舌が乾いてひりひりと物悲しい感情だけが舞い上がる。
埃っぽい部屋の片隅で君の残骸を抱きしめて、愛を囁くなんて馬鹿げていると、
もし君が此処に居たら揶揄する様に笑うのだろうか。
それでも、それでも良いから帰ってきてよ、と、幻の君に強く乞うた。
懇願する愛情のはけ口を歌にして捻り出してしまいたいけれど、
もう声が出ない上に君も居なかった。
泡になって消えていった人魚の気持ちが今なら少し判るよ。
喉の奥で弾けて消える、愛の歌は、
歌えないんじゃ無いんだ。
聴こえないだけ。
言葉にならないだけ。
涙も流れない、乾いた身体で、乾いた喉の奥底で、君を想う歌を歌う。
聴こえなくてもいいから、ちゃんと聴いて。
聴こえたフリでいいから、僕を見て。
擦り切れた愛の歌をそれでも必死で紡ぐから。
置いていかないで。
【ラヴカップルに10のお題】 :ユグドラシル 02:LOVE SONG
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プロフィール
HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
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でも甘いのもあるよ。
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