9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
身体の至る所にポツポツと赤い虫刺されの痕が出来ている。
この季節柄仕方ないとはいえ、やはり我慢ならない。
『痒い!』
がしがしと乱暴に掻き毟れば、隣りから慌てた声が聞こえてきた。
『宿主!ストップ!我慢しろ!』
『我慢出来ないよー!蚊のバカッ!ついでにバクラのバカッ!』
『俺様に当たンな!今薬持ってきてやるから!』
ぱたぱた、と足音が響く。どうやら薬箱を探してくれているようだ。
その間も痒くて痒くて仕方がなく、ついつい掻き毟ってしまう。
また怒られるかなぁ、とぼんやり考えた処で、遠ざかっていた足音が今度は近付いてきた。
どうやら薬箱がみつかったようだった。
『バクラ、早く薬塗ってー。』
すい、と噛まれた腕を差し出すと、バクラは歯切れの悪そうな顔をした。
『薬、なかったんだけど・・・』
言われて、そういえば虫刺され用の塗り薬は買ってなかった、と気付いた。
途端に痒みがぶり返した気がして、また傷口をがしがしと掻き毟る。
『こら宿主!キ○カン買ってやるから!』
母親の様に僕をたしなめる古代エジプトの邪神様の姿は、何だかシュールだ。
それがとても面白くて、ついついわがままを言ってしまう。
『キ○カンはしみるからやだっ!ム○がいい!』
『わーった!わーったから!ム○買ってきてやるから!掻くンじゃねェぞ!』
それでも、僕のお願いを受け入れてくれると知っている。
乱暴だけど、優しいね。
『ありがと!だいすきー!』
にへ、と笑うとバクラは面食らった様な顔をした後、不意打ちの告白に少しだけ頬を染めながら、
行ってくるとだけ告げてさっさと外に出てしまった。
『行ってらっしゃい。』
ふふ、と何だか幸せになった僕は、笑って彼を見送った。
虫刺されも、たまには悪くないかもしれない。
PR
コメントする
カレンダー
カテゴリー
最新コメント
最新記事
(12/31)
(09/05)
(09/02)
(09/02)
(08/31)
プロフィール
HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析