9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
雷が鳴る。ゴロゴロと不吉な轟音が響き、瞬間夜空が怪しく光った。大分近いな、と思いながらゆったりとソファに沈み込む。落ち着いているのは何も虚勢を張って居るからでは無くて、いくら近いからといって外に出ない限り害はないということを知っているからだ。極論として自分の住うマンションに落雷してしまえばまた話は変わってくるけれど、その可能性はかなり低い。つまり、本当にこの家の中に居る限りは怖い事なんて何もない。
『むしろ、結構好きだったりするよ。』
ふふ、と笑ってリモコンに手をのばした。テレビの電源を入れるとニュースキャスターの淡々とした口調が嵐の訪れを告げていた。
『悪趣味な宿主様だこって。』
辛辣な言葉と共にくく、と喉元で笑う声が聞こえる。
誰も居ない一人きりの空間に、けれど別の声が鳴り響くのだ。僕のドッペルゲンガーたる存在が悪態を吐いている。この倒錯的な関係にも大分慣れたものだ、と思った。昔の自分なら躍起になって反抗していたかもしれないが、最近はそうでもない。
『はいはい。お前もでしょ。』
さらっと交わして相変わらずゴロゴロと鳴り響く空を安全な空間から眺めると、お前はつまらなさそうに口を開いた。
『最近おもんねェ反応しかしねェな。』
昔はかわいかったのによォ、と馬鹿にした様な発言もひらりと交わせる様になった。大人になったという事だろうか。
この先意外と僕達は上手くやっていけるのかもしれない。
『でもすきでしょ?』
ふふ、と今度は僕が笑う番だ。からかう事に慣れていてもからかわれる事に慣れていないお前は一瞬瞳を大きく見開き、それから罰が悪そうにふいと目線を逸した。変わらない悪天候も何だか幸福になれるスパイスみたいだ。今にも落ちてきそうな雷すら、僕達を祝福しているみたい。
テレビ画面に写るニュースキャスターが告げる天候も耳を通り抜ける、お前の一言が更に僕を付け上がらせる。
『・・・言ってろ。』
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プロフィール
HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
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