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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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どうしたって壊れてしまうものがある。両の手から離れて床へと落ちていったグラスは粉々に砕け散り、ガラスの破片がフローリングの至る所に散らばった。使い物にならないのは一目瞭然だ。怪我でもしたら大変だから、出来るだけ鋭利な欠片には触れない様に黙々と片付けていく。目に見えない破片だってそこらじゅうに散っている筈だから、あとで掃除機もかけなければいけない。面倒くさいなぁ、と1人ごちて、もう元には戻らないグラスをぼんやりと眺めた。気に入ってたのにな、といくら言った所で割れてしまったものは元には戻らない。それならばはじめから壊れない物を買えば良かったのだろうか、とふと思ったけれど、しかしそれは存外違う気がした。やはりプラスチックのグラスでは少々味気ない。壊れてしまうとしても、それでも硝子で出来たグラスの方が美しかったし、新しく補充するとして、プラスチックのグラスは選ばないと思った。
『まだ同じの売ってるかな・・・』
シンプルな形のありふれたグラスではあったけれど、飽きがこないフォルムをしていた。製造中止にならない限り、大量生産されていく所はやはり日用品だ。何処で買ったかな、とぐるりと思考を巡らせて、それさえ思い出す事が出来れば後は出向くだけ。壊れてしまったものはもう元には戻らないけれど、替えは幾等でも用意されている。料理を装う為のお皿も茶碗も見た目には全く同じものがもう一度手に入るのだ。
『人間もこうならいいのにね。』
まるで誰かに語りかけるかの様に呟いても、其処には誰も居ない。空虚な空間が広がっているだけだった。独り暮らしには広すぎる程のワンルームマンションは閑散としていて、時たま無性に寂しくなる。会話のキャッチボールが成り立たない空間は、ほんの数ヶ月前はけれど、言葉を返してくれる人間が住んでいた。人間、と言うには少し語弊があるけどね、と思い返せば、彼はやはり不思議な存在だったのだ。生きている人間とは違い実体を持たないまるで幽霊の様な、けれど存在感だけは十分過ぎるほどに大きかった彼は、何時の間にやら自分の心の中に住み着いていたらしい。時たま勝手に乗っ取られて居たそうだけれど、それすらもいい思い出だった。意味の無い言葉を投げかけたって、彼は何時でも言葉を返してくれていた。面倒くさそうな顔をしながらでも、彼は律儀に会話を続けてくれていた。話し相手としては申し分無かったのだ。
『人間も、こうなら。』
割れたグラスを片付ける手が止まりそうになる。心なしかクリアだった視界がぼやけてきた様にすら思え、ぶんぶんと頭を振った。泣いては駄目だ、と心に誓ったからだ。泣いてしまっては、止まりそうに無い。体中の水分が流れ落ちたとしても、それでも泣き続けるだろう。堰を切ってあふれ出す涙を止める術は持っていない。それならば、最初から我慢するしか無いのだ。どうしたって壊れてしまうものは仕方が無いのだ。それならばはじめから壊れない、永遠に存在し続ける人形でよかったのかと問われれば、全く見当はずれだから。何時か終わりがくる関係だと最初から知っていても、それでも彼と出会う道を選んだであろうから。大量生産されていない、世界に1人きりの自分の半身が君で良かったよ、と綺麗な思い出にして前を向いて歩くと決めたから。



『掃除機かけたら、買いに行かなきゃ。』



実の所もう一つ、グラスはあったのだけれど、其れは彼の為に用意したものだった。割れてしまったグラスが自分のものでよかったと、不謹慎にもそう思った。
せめて君のグラスは割れませんように、と、心の中で呟いて、欠片を拾う手をもう一度叱咤する。
視界はもう、ぼやけてはいなかった。
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子どもの頃から失くし物をするのが得意だった。
鉛筆、消しゴム、お気に入りのノート。
雨の日に電車に乗ると必ず置いてけぼりにしたのは傘だった。
一度手から離れた物への執着が無いのか、どんなに注意してみても無駄だった。
僕はこれが自分の癖ならば仕方の無い事かもしれない、と言い聞かせた。
『何時か自分の体まで失くしてしまわないようにね』と母親に心配そうに言われた事を思い出す。
けれど、失くしたのは自分ではなく、妹のほうだった。




失くしてから気付く大切な物が色々あって、
失くしてからたくさんの後悔を通過して、それでもやっぱり失くし物は耐えなかった。
筆箱、漫画、片方だけの靴下。
ついに友人の意識まで失くしたかと思ったときには自分が判らなくなった。
一度手から離れたものを次々と失っていく困った癖を、どうにかしないとと焦りだした。
気付くのが遅かったけれどこれからはもう大丈夫だ、と言い聞かせた。
『何時か自分の体も失くしてしまいそうだな』と父親に呆れられた事を思い出す。
けれど、失くしたのは自分ではなく、もう1人の自分だった。




一度手から離れたものは戻ってこないから、
大切なものからは手を離さない様にする、と君の手を取ってみたけれど、
『自分の心配をしろよ』と冷たく突き放されて、
手のひらから水が滴るように零れ落ちていった。




”永遠”という言葉を信じて握る手を緩めた訳でも、”大切”という言葉に縋って握り返して貰える気がしていた訳でも、
『何処にもいかない』と言った君を過信していた訳でも無かった。
離れていかないでと握り締めた手をするりと解いて、僕の半身は居なくなってしまった。




仕方が無い、で済ませる事が出来る程小さな物だったならよかったけれど、
君の存在は思った以上に僕にとっては大きかったらしい。
自分の体を失くした方がいっその事マシだった、と打ちひしがれて、
後悔の波に攫われたって、もう遅い。
月が昇り世界が闇に包まれたって、君の影はもう何処にも無かった。



失くしてから気付く依存度はやがて自責の念へと移り変わり、父と母の言葉を幾度となく蘇らせる。
『次は自分の体を失くすだろう』という不確かな確信がそれでも、
『それでも良いんだ』と甘く囁いた。







『自分の体よりも大切な物を失ったから、もう良いんだ。』
実はラブラブすぎるバク獏がすきなんです。
しんじょうまゆパロとかしてほしいです。

宿主「だめっ・・・シャワーあびてから・・・」
バクラ「構わない・・・どうせ俺で汚れる・・・」

とかね!おkおk!はじまりすぎ!
どうせ俺で汚れるとか言わせてみたいなー。




テレビにうつるバクラ(国民的アイドルグループのVo)をみてときめく宿主

宿主「やっぱりかっこいいな・・・バクラ・・・これが僕のだんな様・・・」
バクラ「宿主の悪いくせだ・・・。本物を知っているくせにブラウン管の中の俺にときめいたりなんかして・・・

自分に嫉妬してしまいそうだ・・・   」



とかね!(参考資料・快☆感☆フレーズ☆)
えっ何これはじまりすぎじゃない?
Voバクラ Guナム Ba闇マ Dr盗賊王 サポート:ゾーク

突っ込みどころありすぎて自分でも何言ってるかわかんなくなってきた^^

ちょっと某Mさん、書いてくれ。(むちゃぶり)




いいなーラブラブいいなー。
ねーよwwwてくらいラブラブなバク獏がすきなんです。自分の小説にはほとんど反映されていないけれども。
ラブラブバク獏には画面の前で独り言オンパレードですよ。
宿主気分です。「告白キター!!!」とか喜びながら読んでます。
DVなんてもってのほか。宿主をお姫様のように扱う王子なバクラがいいです。まったくもって自分の小説には生かしてません。
おかしい・・・。



まぁそんな感じで何がいいたいかというとバク獏のいちゃらぶをみんなもっと書けばいいということです。
私もがんばります。
誰かしんじょう☆まゆパロをよろしくおねがいします。




『だーれだ?』

テナーに近いやや高めの声の主は彼の両目をその手で塞ぐ。
幼少時誰もが少なくとも一度はやったであろう筈の遊び、物当てゲーム、尤も今此処には彼ら2人しかいないのだが。
窈窕とした雰囲気がその幼い遊戯と相まって白く白く何か、何処か映える。

『何がしてぇんだ。』

突然の行動に少々の事では驚かない彼すらも、驚愕。



『だってお前、僕の名前呼んでくれないんだもん。』



宿主、と少々癖の或る呼び名が定着しているのか、不思議な事に名前で呼ぶという項目は含まずして傾向。
意図しているのかいないのか、それは関与すべき問題では無くてもうどうでもいいのだけれど。



『僕の名前が解らない訳じゃ無いんでしょ。』



後ろ、上、頭上か上下か嗚呼何だかそれすら曖昧だ。
防がれた視界はもう何も映していない。ハイリスク、ハイリターン。
意味の無い情景賛歌、美化して思えるのは『宿主サマ』の、脳裏に浮かぶ微笑。
呼んで欲しいと素直に云うよりも憎らしく幼くてけれど冴えたやり方。
人為的な闇は寧ろ彼にも好都合。



気が向いたら、向くまで、さて何時になるのやら。
指の感触を瞼に感じて何処までも境界線が見えない、現象。
嗚呼それすらもうどうでも良くて。



冴えたやり方。宿主サマ、の。苦肉の策と云うべきであろうか。
耐久レースはこの体勢のまま、さぁ開始の合図は、手の甲に落とす唇で。











『気が向いたら』















さて、何時になるのやら。




酷い、なんて言ったって無駄だという事は判っている。何時だってお前は自分勝手で自己中心的で利己的で、そして僕の事なんてまるで眼中に無い。只自分の野望を達成する為に僕が必要なだけで、用済みになれば躊躇いもせずに僕を捨てるだろう。そんな事は知っているけれど、それでも気紛れの優しさに翻弄されてしまう自分は何て単純なのだろうか。
『まだ痛むか?』
『・・・もう平気だよ。』
そうか、と呟いてまた無言になるお前は一体何を考えている。つい先刻の事だ。傷、見せてみろ。いきなりそう言ったかと思うと、僕の腕に巻かれた包帯をしゅる、と解いた。今度は何をするんだ、やめて、と恐怖に竦む僕に向かって安心しろ、とお前は言った。手当てしてやると、と続いた言葉は、想像の範疇を超えていた。




きつい消毒液の香りと包帯の清潔感が覆い隠していた傷は、意外と深い。
もっとも、思い切りナイフを突き立てたそうだから当然なのだけれど。それでも血は止まり、あとは瘡蓋が出来るのを待つばかりだった。僕としてはこの忌々しい傷を忘れてしまいたかった。君が手当てしてやる、だなんていわなければ、忘れてもいい位だった。どうしてこんなタイミングで、と問い詰めたくもなるけれど、やはり気紛れなのだから仕方が無い。
『悪かったな。』
僕の左腕を取り、傷口に顔を顰めながらそう呟いたお前のその言葉だって、気紛れなんだろう。
悪いなんて思っていない筈だ。自分の所有物には何をしたって許されるとでも思っているに違いない、お前はそんな最低な男なのだから。ご機嫌取りのつもりか、計算の上に成り立つ嘘っぱちなのか。僕には計り知れないけれど、どうせそんなところなんだろう?
『いいよ、もう。』
だから何も考えない様、思考を中断させて突っ撥ねた。どうしたって良い様に解釈しそうになる、愚かな自分が鎌首を擡げない為に。こいつは僕を傷つけるだけの存在だ。遊び半分で優しいだけだ。明日にはまた酷い人になるかもしれない。平気で僕を痛めつけるかもしれない。そうやって言い聞かせて、早く僕を解放するように願う。だって、君に握り締められた腕が熱いんだ。意識しないようにと視線を逸らしたって、其処だけはリアルな熱が伝導する。強く握られてる訳でもないのにやけに存在を認識してしまう、壊れ物に触れるかの様な優しさに包まれていて、泣きそうになる。だから僕は単純なのだ。学習というものをまるで出来ない。
どれだけ傷つけられたって、結局は此の気紛れに蕩かされてしまうんだ。馬鹿げているね。
『俺様を信じろ。』
きゅ、と腕を先刻までより強く握られて、逸らしていた視線が絡み合う。嗚呼、真剣な顔をしているね。そんな顔をしたって無意味だよ、と言いたいのに、開いた唇からは言葉が紡がれない。信じろ、なんてどの面下げて、と、揶揄の台詞も全て飲み込まれてしまう。かき消されてしまう。無言の僕を訝しく思ったのか、君は今度は傷口に唇を寄せた。噛み付かれる、とびくりと強張る体にはけれど、牙が立てられるなんて事は無かった。変わりにぬめりとした舌の感触が全身を粟立てる。
傷口を舐められているんだ、と気付いたのは、舌が這いだしてから数秒立った後だった。
『な、なに・・・』
まだ完全に瘡蓋になっていない傷口は薄い皮膚の下から肉が見えている。其処を舐められるのだから、びりびりとした痛みが拡がるのは当然だ。
けれど今まで付けられたどんな傷よりも、優しかった。
困惑したままに見つめていると、傷口から唇が離れた。




『消毒』




さも当然、のようにそう告げて、僕の瞳を覗き込む。先ほどとまるで変わらず、真剣な表情だった。
もしかしたら本当に、なんて都合の良い解釈が頭を占領していく。それも君の戦略だったとしても、もう、構わなかった。それでいいや、と思ったからかもしれない。痛む傷口が唾液に濡れて、麻痺しているからかもしれない。




けれどもう、それすらどうでもいい。




どちらから ともなく近づいた唇に全てが掻き消される事を、理解したから。
痛みは口づけの中、霧散していった。

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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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