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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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行かないで、なんて無理な話だ。縋り付かれたって、不可能だ。嗚咽を漏らすお前を置いていくことに心残りはあるけれど、負けてしまったからには仕方ないのだと、自分にも言い聞かせるように、呟いた。
『やだよ、やだ。やだ。いかないで。連れていって。』
ふるふると首を振って必死で説得を試みるお前に、ぐらつきそうになる心を叱咤する。この心の部屋ともおさらばか、とぐるりと見渡せば、此処数ヶ月で随分と風体の変わった部屋も感慨深くなる。お前は俺に出会い、人生を狂わされたのだ。良いように扱われて、心の部屋すら改ざんされて、それなのに従順に、まるで俺様が居なくなれば壊れてしまうと言いたげに縋り付いてきた。
馬鹿だな、と冷めた瞳で見つめて、鬱陶しい、と突き放す。
そう出来れば、どんなに良かったのだろう。
俺もまた、こいつと同じで、馬鹿みたいに絆されていた。
『宿主、無理だ。』
ごめん、なんてガラにもなく謝って、震える背に手を伸ばす。相変わらずしゃくり上げるお前を、置いて行かれるという恐怖だけが突き動かしている。
『無理だ。お別れだ。』
『駄目だよ、やだよ。お願い、いかないで。僕も連れていって。』
突き放す台詞を拒絶してなおも縋り付く。このままじゃお前も死んでしまうというのに、此方へと歩み寄るお前はとんでもなく愚かだ。
『地獄にお前を連れて行く訳にはいかねェよ。』
ううう、と泣き咽ぶお前の頭に手を置いて、永遠の別れの最後の挨拶だ。




『約束、守らなくて、悪ィ。』





どん、と突き放し、砂になって風に溶かされるように闇へと消えていく。
『絶対に守ってくれるって言ったのに、嘘吐き・・・』
お前の最後の呟きが、崩れ落ちる最後の身体に、染み渡る。




絶対に守ってやるという約束は、こうして、終止符を打った。




【大好きなあなたに5題】 :SILENT SPEECH 02:絶対に守ってあげるから
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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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