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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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君の髪をゆっくりと優しく梳いた。ドライヤーの熱と柔らかなタオルの感触に君が目を細めたから、僕の心まで此の熱がゆっくりと浸透してくる。自分の髪質と寸分違わず同じである筈なのに、何故かさわり心地は別物のようだ。
『・・・お前の髪って意外と柔らかいや。』
湿気を大分含んだ君の髪を、ふんわりとしたタオルでくるんで水分を拭き取りながら、君の髪の感触をタオル越しに楽しむ。水によって少し重くなった君の透き通るような銀髪。自分のものと違って思えるのは、濡れているからだろうか。それとも君だからだろうか。何処か浮世離れした思いに捕らわれながらドライヤーの熱を浸透させる。タオルで絡め取る。なすがままの状態の君に違和感はあるけれど、嫌がらないという事はやっぱり君も居心地の良さを感じ取っているからだろう。世界から隔離されたかの様に、二人きりになったみたいな錯覚に陥る。
今この瞬間、僕たち二人だけなのだ。それはとてつもない幸せな気がした。





『一緒だろ。』
ゆるりと手を伸ばされ、君の手が僕の髪に触れる。それだけで僕の体温は幾ばくか上がるのだから、初な事だ。そうだけど、と視線を彷徨わせ、けれど相変わらず君の髪の感触は楽しみ続ける。
お互いがお互いの髪を梳く。
同じ様ででもきっと違う感触を、共有しているのだ。




『でも、いいの。』
視線をようやく君へと戻して僕はそう呟いた。
タオルとドライヤーと、君の濡れた髪。
乾いた僕の髪の毛とは、やっぱり何処か、違う筈だから。




このまま世界が止まればいいのになぁ、と物騒な考えが巻き起こる、シャワーの後のなれ合いの時間。
今度は僕の髪を君が乾かしてくれたら、良いな。
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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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