9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
ス、と眼球の上を手の平で覆われる感触に、亮は反射的に眉根を寄せた。
けれど泣く子も黙る“ヘルカイザー”の通り名を持つ亮に対しこんな事をする人間等、そう多くいる筈が無い。
亮ははぁ、と溜息を一つ吐き、何でも無い事かの様に、悪戯の主の名を呼んだ。
『吹雪。』
悪乗りが得意な友人の名をきっぱりと断言すれば、言い当てられた事に動揺したのか、ピクリと指が瞼の上で反応する。
『何で判ったんだい?』
通常、この行為に伴う「誰だ」、という問い掛けを先にするものなのだが、その暇すらなしに名前を言い当てられた事に、吹雪は不思議そうに首を傾げた。
声で判るのならともかく、吹雪は一言も声を発さなかったし、勿論気取られるヘマもしなかった筈だ、と思ったからだ。
『俺に対してこんな事をする奴がそう何人もいると思うな。お前かエドくらいなものだな。』
『成程ねぇ。じゃあ何で僕だと?エド君かもしれないじゃないか。』
確かにそう多くいる筈が無いと納得はしたものの、一応二者択一の最後の難関が残っている。
吹雪かエド――間髪入れず言い当てる程に違いは無いように吹雪は思った。
そもそも、エドもこんな事をするなんて、と吹雪にとっては其処にも驚いたのだが。
何時の間にそんなに仲良くなったのだろうか、と呆気に取られる間もなく、更に驚愕の事実が吹雪の上に降りかかる。
『エドの方が少し手が小さいな。それに何というか、あいつは雰囲気で判る。この間エドにもやられたのだが、何故かすぐに判ったのだ。あいつは面白く無いと怒っていたが――』
『へ、へえー』
『それにあいつは今仕事で日本に居ない。帰ってくるのは12日後だと言っていた。迎えに行かなければ雷が落ちる。』
『なんていうかさぁ・・・』
『今は調度アメリカにいる。国際電話がかかってきていたからな。――どうかしたか?』
『あ、うん、いやぁ・・・ごちそうさま・・・。』
何だか友人の知ってはいけない一面を垣間見てしまったなァ、と吹雪はぼんやりと思った。
ちょっと見ない間に変わったね、と少々引き攣った笑みを浮かべたが、
自称愛の伝道師天上院吹雪としては、無問題だ。うん。愛なら仕方ない。
そんな風に思いながら、自覚の無い惚気連発の亮を見守る事にした。
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すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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