9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
今日はどうやら機嫌の悪い日らしい。
ぐしゃぐしゃに散らばっていたフィギュアがそれを物語っていた。床に寝かされても笑っている人形は気味が悪かった。
「宿主…?」
日も暮れているのにこの家は電気も付けない。仕方がない。なぜなら宿主のそういう日なのだ。
時折、何が原因なのかどういう周期かはわからないが、こういう日がくる。
真っ暗な部屋で、破壊的な行為へ手をのばすのだ。
俺は腰をおろし、散らばったフィギュアを拾い集めた。元の場所にないと宿主が怒るのだ。
今日はどこへいるんだ宿主。この間は台所、その前は寝室だった。同じ空間にいるはずなのに、こんな日の宿主は闇と同化しているかのように極端に存在が薄い。
宿主、
俺はもう一度彼の名を呼んだ。返事はない。
宿主はいつか消えてしまいそうな透明さを持っていた。いつか俺をおいていくんじゃないかって不安がぐるぐると渦巻く。こんな日は特に顕著だ。
寝室へ向かうかと足を運ぶと、途端シャワーの音が響いた。今日は浴室か。
散らばっていたフィギュアを適当に並べ俺は気持ち足早に浴室へ向かった。
「宿主!」
がしゃんと思い切り浴室の扉を開くとそこには真っ白な背中が広がっていて思わず青く心臓をドキリとさせた。
青白くさえある華奢で今にも崩れ落ちそうな背中だった。雨のようなシャワーはひたすら彼を濡らしていた、刺していた。
「宿主!何やって、」
「………お前…」
「こっちは心配して…っ」
虚無感に揺れた空っぽの大きな瞳がこちらをぎょろりと覗いた。もう一度心臓が青く震えた。
「何だよ、このシャワー温いじゃねえか!風邪ひく!」
ぐいっと腕をひっぱると細さにぎょっとした。自分と同じ細さのはずなのになぜこんなにも違うのだろうか。
弱々しい宿主を見ると不安になる、今すぐにでも死んでしまいそうな儚さを持っている。おいていかれそうなのだ。俺をおいてどこかへいってしまいそうなのだ。
その白い体を土に埋めて灰になってしまったら、俺はどこへいけばいい、
「お前が」
悶々としてると宿主が小さく口を開いた。声に振り向くと宿主が幼い泣きそうな子供のような顔をしていたから素直に驚いた。
「お前の帰りが遅いからだよ」
「…は?」
「お前が、いつまでも帰ってこないから、僕は、」
こんな必死な宿主は初めて見るかもしれないと思った。俺は言葉を見つけることもなくただ宿主の声を待った。ぴちゃんとシャワー口から一滴したたった。
「お前が、帰ってこないと、僕はおいてかれるんじゃないかって」
「……」
「もうこれ以上、おいてかれるのは、嫌な、んだ」
宿主の声が濡れて、俺まで涙腺がゆるみそうだった。骨のような手が震えていた。
どうしようもなくなって、バスタオルを取り出した俺は頭から彼にかぶせた。
わあ、真っ暗!なんて宿主が言う。本当に子どもみたいだ。
「どこにもいかない」
「………おまえ、」
「だから宿主もどこにもいくな」
「…泣いてるの?…うわっ見えない見えない」
わしゃわしゃと白い髪をくしゃくしゃに混ぜた。
これが運命共同体って言うやつなのかとよくわからないことを思い浮べた。
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果汁 のもか天皇からいただきました。うっほっほい!!!!!
じつはこれがはじめてもらったバク獏です。
これもらってうれしかったんだけど、でもうれしいありがとうじゃもう書いてもらえない!と思ったから、
「もう一つバク獏かかないとアルカナフォースクオリティでもかは死にます」ってゆったから、二作目を書いてもらえたんですよ・・・☆
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プロフィール
HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
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でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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