9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
雲はいつか流れていき、花は枯れて季節は巡る。終わりなき事象なんて存在しないけれど、延ばした手の先にお前がいるなら構いやしないさ。
『此処でだと、触れるんだね。』
空を切る筈の手に確かな温もりが広がる。此れが現実の世界ならば虚しく通り過ぎてしまうだろうけれど、此処は居心地のいい2人きりの空間だ。心の部屋というのはとても便利に出来ている。なにせ君に触れる事も、触れられる事も可能だもの。そんな世界を秘密裏に共有しているなんて、誰にも知られたくない。まして誰にも教えたくない。
僕らは2人きりの時だけは、やけに素直になれるから。
『ずっと此処に居ろよ。』
僕の手が君の頬に触れた時、君は目を細めてそう言った。命令でも無理強いでもない、ただ願うだけの声音だった。
『緩やかな監禁願望?』
ふふ、と笑ってその頬を撫で続ける。いいね、それも悪くない。君が僕の中に居座り続ける限り、僕は表の世界には顔を出さない。ただひたすら心の世界で、君を眺め続けるんだ。君に触れることだけを待ち望むんだ。ああ、いいね。
『学校も、友情ごっこも、俺様に任せておけばいい。』
お前は此処で俺様だけを見ていろ、と殺し文句を続けた、と思うが否や、君の顔が近付いてくる。口付けは僕を盛大に甘やかせる時の合図のようなものだ。この口付けには逆らえない。そう知っているからこそ、君は僕に触れるだけのキスを贈る。
ああ、好きで好きで…君の全てに僕の人生は侵されていく。
『僕の真似、完璧にしてね。』
どれだけ自己を失い君に貢献しているのだろうか、なんて考えたら恐ろしい。
けれど流れゆく雲も、土に還える花も、終焉の存在をきつく告げるから。
僕は君が此所に居る間だけはただ、君に流されていたい。延ばした手の先に君が居るのならば、それでいいんだ。
いつか君がいなくなるまでは、僕の身体は余す処なく君にあげるよ。
好きで好きで好きで好きで、どうしようもないから。
【抱いて抱かれて10のお題】 :SILENT SPEECH 03:好きで好きで・・・
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プロフィール
HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
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でも甘いのもあるよ。
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