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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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道徳的な側面から見て正しくないと知っているけれど、でも、僕は君から与えられる口付けが好きだった。
『ねぇ、キスしてよ。』
ぐい、と袖元を引っ張って強請る。ストレートなお誘い文句だ。けれど、君はまるで往来のど真ん中で言われたかの様に顔を顰めて、僕の手を振り解いた。
『何急に寝惚けた事言ってやがんだ。』
突然すぎンだろ、と言われても、君に正論を言われちゃ腑に落ちないね。此処は僕の心の中の部屋なんだから、突然すぎるにしたって、TPOのPくらいは押さえている。そもそも誰も居ない2人きりの空間という絶好のシチュエーションなんだから唐突すぎるお誘いでも無いだろう。
『いいじゃない。ほら。』
振り解かれた手をもう一度、今度は指先に絡める形で握り締め、目を閉じる。目の前にいるのはこの世を滅ぼす悪魔の化身だ。其の上君も僕も男だ、とか、それ以上にこれは僕の身体だ、とか、そういった倒錯的な関係性がけれど僕の心にこれ以上無く魅力的に映る。自己愛の塊の見せる罠だろうか、それとも、道徳に反しているからこそ、こんなに壷惑的に思えるのだろうか。自分でも計り知れないどろどろの想いが、とても君に可愛らしくキスを強請る自分の心の内だとは思えない。




『ったく、』
仕方ねェ、と面倒臭そうに舌打ちして、絡めた手を握り返してきたかと思うと、唇に柔らかな感触がぽつりと落とされた。此れは紛れも無く僕の唇だ。君の物ではあるけれど、それでも僕の唇に代わりは無い。そう感じれば感じる程尊くて愛しく思えるから不思議なものだ。君から贈られるキス其の物には穢れがなく、言葉や態度と裏腹に優しくて、だから僕は好きだった。
心の内が穢れていたとしても、其れ自体は神聖な、そんな口付けが、僕は好きだった。
『これで満足かよ。』
たっぷり十数秒、触れるだけの口付けが終わってから告げられる君の言葉に、僕は笑って頭を横に振る。
『・・・・もっと。』
まだ足りない、と言って君の唇をぺろりと舐めて、二度目のキスを促す。倒錯的な口付けが、僕を虜にしたまま、離さない。
穢れの無いはずの口付けは、背徳の味がした。




【ラヴカップルに10のお題】 :ユグドラシル 07:PURE KISS
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すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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