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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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君は全て正しかった。間違っていたのは、何もかもが間違っていると思っていた僕のほうだった。君の存在を否定しようとして耳を塞ぎ目を閉じても、広がる闇は紛れも無く君自身なのだ。逃げられない。逃げられないんだ。
『無駄な足掻きだ。』
塞いだ耳にもお構いなしに脳を直接揺らす声が、僕を絶望の淵へと追い詰める。閉じた瞳に映る漆黒の闇が僕を不幸のどん底へと陥れる。そうやって僕を穢していく。貶める。其れでも君が正しい、そんな世界に色濃く映し出される自分の存在はとても異色だった。
『そんなに怯えなくてもいいんだぜェ?』
耳を塞いでいた手を取られ、ダイレクトに鼓膜を振動させる二言目。恐怖で萎縮する僕を鼻で笑い、次はどんな方法で僕を追い詰めようか、なんて考えているであろう事が手に取る様に判る。いっそ一思いに其の腕で此の心臓を抉り取られたならばどんなに楽なのだろうか。こんな想いをする位なら、いっそ、と、不穏な空気が身を纏う。其の空気にいち早く気付いた君が不機嫌そうに呟いた。
『宿主には生きておいてもらわなくちゃ困るからなァ・・・。』
だから、生かしておいてやるんだ。続く台詞はとても残虐で余りにも冷たかった。背筋をいやな汗が流れ、閉じた瞳をさらにぎゅうと強く瞑る。追い詰めて追い詰めて、そして僕が音を上げた時には、ギリギリのラインで僕を救い出そうという魂胆が丸見えだ。
『俺様が正しい。お前が間違ってる。そうだろう?』
ふぅ、と耳に息を吹きかけ、満足そうに笑う。ああ、その通りだ。君が正しい。僕が間違っている。それは何に対して、ではなく、言うならばこの世の全てに対して、だった。一種のインプリティング作用だということも判っている。君が僕を追い詰めて追い詰めて、それでも、其の行動が正しいのだと、刷り込んでいるのだという事も、判っているんだ。



『そうだろ?』
けれど、逃れられない広大な闇が、僕の身体を蝕んでいく。
異色なのは僕で、正義は君だと、まるでさも当然のように、視神経からダイレクトに伝達させていくんだ。
そうだね。君が正しい。全て正しいんだ。
間違っていたのは、何もかもが間違っていると思っていた僕のほうだった。




『うん、そうだね。』
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すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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