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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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普段は熱を持たない存在でも、此処に居れば何時でも熱を感じる事が出来る。
ぴたりと同じ平熱を持つ二つの身体は当然のこと、どちらかに熱を奪われるという事はない。
ちょうど36度きっちり、平熱のままお互いに干渉しあったって過不足はない。




『心の部屋って便利だよね。』
くす、と笑みを零してそう告げると、擦り寄る身体が其の言葉にぴくりと反応した。何をするでもなく頻繁に此方へ来てしまうのは、この意味の無い瞬間がとても愛おしいからだ。
ただ抱き合って無意味に時が過ぎていくだけの此の瞬間が堪らなくお気に召しているから。
ぬるいぬるい体温はどちらが高いとか低いとか、そういった格差を齎さない。ひたすら同じ熱を共有し、36度を平行線で保つだけ。
熱を分け与える、なんて出来ないけれど、此のぬるい腕の中は温度差を持たないからこそ心地よい。
『お前、あったかいし。』
『・・・体温一緒じゃねェか。』
何を言ってるんだか、と呆れた口調で返される。声のトーンは君の方が若干低いけれど、質は変わらず同じものだった。勿論寸分狂わず同じ身体なのだから声帯も同じに決まっているけれど、それでも其の声が、ぬるい体温と同じくらい居心地の良さを醸し出している。
君の声すきだなぁ、とぼんやりと思った。
相変わらず熱はちょうど同じだけ、溶け合うように1分の狂いも無い。





たとえば僕の方が体温が高かったなら、お前を暖めてあげられるけれど、
たとえばお前の方が平熱が上だったなら、その熱を分けてもらおうと思うけれど、
生憎と僕達はきっちり36度の体温を上手い具合に保ち続けていた。
どちらがどう、なんて異種の存在でない僕達にはおおよそ無意味な仮定だった。




ぬるいぬるい腕の中。
けれど此のぬるさが齎すゆったりとした心地よさが、浸るには調度良い。
暖かくも冷たくも無い腕に依存して、僕はまたお前に溶かされていく。
お前の存在が僕の心の部屋を温めているから、それで良かった。




『やっぱり、あったかいよ。』
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すめ。
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性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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