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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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僕はお前を手放したくないだけなんだ。どんなに酷い目に合わされたか数え切れず、どんなに辛辣な言葉を吐き捨てられたか計り知れない。けれどどんなにお前が極悪人だったとしても、僕にはもうお前しかいない。
『手癖の悪い宿主様だな・・・』
すぅ、とその手が僕の頬を滑る。奇妙な程優しい手つきだ。その手に何度打たれたか判らない上にその手に何度絞め殺されそうになったかも覚えが無い。それでも僕はこいつを手放す事が出来ない。勝手に友人の部屋からこいつの宿る千年輪を持ち出したのだって、その為だ。友人達が僕の為を思い輪と隔離していた事もちゃんと頭では判っていたけれど、それにも勝る強い思いが友の厚意を裏切っていく。
お前は知らないだろう。どんなに僕が依存しているかなんて。




『呆れた?』
相変わらずするすると頬を撫でる手つきに溶かされそうになりながらそう言うと、お前は口の端を吊り上げて笑った。何時もの顔だった。
『まさか。その逆さ・・・』
そう言うと撫で付けていた手が頬の上、ぴたりと止まった。添えられているだけの手に奇妙な安心感すら覚える。知っているよ、呆れる筈が無い事を。君の前世を僕に垣間見て寧ろお前は喜んだ筈だ。勝手に部屋から持ち出すなんて悪い宿主様だな、と言いながら、僕の行動を面白がった筈だ。
だからこそ、今日はこんなに優しい。




明日お前に殴られたって、蹴り飛ばされたって、僕にとっては本望だ。
今この瞬間上機嫌なお前の気紛れな優しさに、また、募る思いがそれでも手放したくないと悲鳴をあげるから。




『お前は最高の宿主だぜ。』
くく、と笑ったと思えば頬に添えられていた手に力が篭る。ああ、やっぱりこれだからお前を手放す事が出来ないんだ。どんなに酷い目に合わされたか数え切れず、どんなに辛辣な言葉を吐き捨てられたか計り知れない。けれどどんなにお前が極悪人だったとしても、それでも僕には何の関係も無いんだ。




数秒後に落とされる口付けが僕の思考を全て攫っていくと、知っているから。
極上の褒美に、より一層お前から離れられなくなると、知っているから。




こんな関係間違いだ、なんて言わないで。
僕にはもう、お前しかいない。



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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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