9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
カチャカチャとベルトを外す音が室内に響く。只それだけの事なのに酷く気恥ずかしい。どれだけ乙女思考なのだと喝を入れてやりたい、自分に。
『何だよ、宿主まだ脱いでないのかよ。だらしねェ。』
は、と気付くと既に残すところ下着一枚、になっているお前に呆れたような台詞を投げかけられた。一方の僕はと云えば、まだ一枚も脱いでいない。目の前でさっさと脱ぎだすお前にどぎまぎとうろたえていたからだ。
突然の豪雨に苛まれ、傘を持たない僕達は先刻やっとの思いで部屋に戻ってきた処だった。今日の降水確率は10%未満です。今朝のニュースキャスターの貼り付けたような笑顔に騙されて、まるっきり警戒していなかった自分達を嘲笑うかの様に雲行きが怪しくなり始めた、と思えばコレだ。土砂降りの雨の中、必死で走って帰ってきた所為かまだ身体はほんのりと暑いけれど、それも時期冷めてしまうだろう。風邪ひくといけないから早く湯船に浸からなくちゃ。その一言にニヤリと意地の悪い笑みを浮かべられた瞬間に気付くべきだった。
先に入っていいよ、の投げかけに対するお前の台詞に、企みは嫌という程理解できて、赤面以外の何物でもない。
『つれねーこと言うなよ。一緒に入りゃーいいじゃねェか、なァ?』
その一言に議論する暇も与えられず、タオルを投げつけられ、目の前の男はさっさと服を脱ぎだしてしまったのだから。
『・・・お前の魂胆ミエミエなんだけど・・・。』
どうせ風呂場でーなんて考えてるんだろう、と言ってしまえば余計に目の前のこいつを喜ばせてしまうことは明白だ。何考えてんだか、宿主のエッチ!なんて言われた日には殺意すら沸きあがる。別にそれに至る事に抵抗は無いけれど、気恥ずかしさはやはり付き纏う訳で、そんな風に茶化されては気分が悪い。出来る事ならムードたっぷりに、なんてやっぱり乙女思考だけれど、こいつに言ったところでどうしようも無い事も判っていた。
『話が早ェな、宿主。判ってんならさっさと脱げよ。』
そうやって催促してくるこいつに、そんな事を求めたところで意味が無い。
けれど仕方ない、と早々に諦めてしまえるのは、やはり絆されているからだ。
『後から入るから、先入っててよ。』
敵わないなぁ、と思いながらそう促すのは、もう少し頬の熱を冷ましてからにしたいから。
体温は相変わらず高く、これはきっと走って帰ってきたから、だけが理由では無い。
これから始まるバスタイムに期待を寄せているのは、僕も同じという事だ。
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すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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