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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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ぴたりと掌同士を合わせる。当たり前の事だけれど、大きさは寸分違わずそっくり同じ。
爪の長さから掌に刻まれる生命線の長さまで、完全なるコピーの君に感じる奇妙な既視感。
其れを胸に抱いて僕は笑った。
酷薄な表情だ、と何となく思った。

『君の存在価値って、何だろうね。』

掌から感じる熱も同調して拡散する。それはつまり同じ温度を保ち続けている、ということだ。
一つの身体を二つの魂で共有しているのだから、当たり前の事ではあるけれど。

『僕が存在している上に成り立つ付加価値だよ、お前は。』

仮初めの存在はやがて砂に帰るだろう。此の身体は元来僕の物であるのだから、お前に受け渡すつもりは毛頭無い。
それならば君の価値等、やはり何処にも無い。
此の僕が全身をかけて否定しているのだから、お前は所詮その程度なのだ。




合わさった掌に意識を集中すれば、まるで其処に何も無いかの様な感覚に捕らわれ、
お前が存在しているかどうかすら、あやふやだ。
ざまあない。




爪の長さから掌に刻まれる生命線の長さまで、完全なるコピーの君に感じる奇妙な既視感は、皮肉に煽られまた僕の中で肥大し蓄積されていくのだ。
お前の存在全てを否定してあげるよ、と僕は思う。
もしこの手が僕よりほんの少しでも大きかったのなら、君と僕は別個の物かもしれないと考えられない事も無かった。その場合はお前にだって存在意義があるのだと、僕は思ったに違いない。
劣悪な願望に他ならないけれど、そうしたら僕はもう少しお前に優しくしてあげられるのにね。




現実とはかくて残酷だ。
お前は所詮僕の付加属性であり、僕無しでは到底生きられない。
そんな希薄な存在など、無いに等しいと思う。
お前の存在など、最初から、あやふやなのだ。
――ざまあない。
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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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