9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
宿主は朝が弱い。起きろー起きろーと心の中で力一杯呼び起こしてようやく活動を始める。と、言っても気を抜くと直ぐにまた夢の中へと墜ちていってしまう。こら馬鹿遅刻すんぞーとまた必死に起こしている自分を冷静に省みると、どうして俺様が、と情けなくなる。天下の邪神様がこれじゃまるでただの母親だ。けれどこうでもしないと見た目に無頓着な宿主は、平気で寝癖のまま登校したりするのだ。俺様が主導権を交代した時に、寝癖でぼさぼさの頭っていうのはやはり示しがつかない。
それこそ邪神様として。
『だーもう!埒があかねェ!!!』
がばっと起きあがると瞬間低血圧なこいつのおかげでぐらりと視界が傾くけれど、気合いでそのままベッドから飛び降りる。最近はもっぱらこの方法で目を覚まさしてやっている。なんていう優しい俺様。
主導権を勝手に自分のものにし、着替え、顔を洗い、歯を磨く。生活感溢れる行動に自分でも情けない、と落ち込みそうになるからつっこんではいけないのだ。そう思いながらいつものように着替え、顔を洗い、さて歯を磨くか・・・とミントの香りの歯磨き粉をチューブから練りだし、歯ブラシを口に突っ込んだその時だった。
『っあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!』
そんな声出せたのかお前!と思わず驚く程の声量で宿主が叫んだ。心の中で。けれどダイレクトに脳に伝わる為、頭が割れる様に痛い。くそ、何だって言うんだ。
『ンだよいきなり!』
『おまっ・・・おまっ・・・それ僕の歯ブラシじゃないかっ・・・!!!!』
ああああ、と絶望が心の中いっぱいに広がる。宿主の声といったら今までで一番絶望している。この俺様に乗っ取られていると知ったときよりも、欲しかったフィギュアが手に入らなかったときよりも、連日徹夜でやり遂げようとしたゲームのデータが飛んだときよりも。
何をそこまで?と全く判らずに居ると、宿主が殺気を含んだ声音で怒鳴りだした。
『汚い!気持ち悪い!セクハラ!お前用の歯ブラシ用意しといただろ!?』
罵詈雑言を浴びせられ若干凹む。お前の為を思って起きてやってんのに何だその言いぐさは、と思うけれど言い出せない。こうなってしまっては俺様が敵うはずもない。
うちの宿主は、無敵だ。
『んなの・・・しらねェよ・・・。』
若干涙目でそう言うと、じゃぁ今までも・・・?とおそるおそる聞かれたので頷いてやった。
宿主は更なる絶望に見舞われた。大事にしていたフィギュアが壊れた時よりも、徹夜で並んだのに買えなかったゲームについて嘆いていたときよりも、ずっと。
大体、宿主がいつも使っている歯ブラシは水色で、その隣に可愛らしく並んでいるピンク色が俺様用っていうのはどういう事なんだろう。此はせめて俺様が水色だ。というか、親がこの家に訪ねてきたとき、どう言い訳するのだろうか。水色とピンクの歯ブラシが仲良く並んでいる状態を見れば、誰だって盛大な勘違いをするに決まっている。
『ほんっと気持ち悪いんだけど!セクハラで訴えるよばかぁ!!』
『な!!大体テメーが起きないのが悪いんだろが!しかも、これは元々お前の体だろ!かわんねェよ!』
『変わるよ!ばっちいでしょ!』
『何でさっきから俺様を病原体みたいな言い方すんだテメーは!』
この天下の邪神様を!とキレてみるが、それでも宿主には敵わない事は知っている。
うちの宿主は、最強だ。
『ちょっとツラ貸しなよ。心の部屋まで降りてきて。』
絶対零度の声音でそう言われ、俺様は凍り付いた。
横暴だ!と思いながらも逆らえない事は知っている。
こいつは、史上最強にして無敵の、俺様の宿主だからだ。
PR
コメントする
カレンダー
カテゴリー
最新コメント
最新記事
(12/31)
(09/05)
(09/02)
(09/02)
(08/31)
プロフィール
HN:
すめ。
年齢:
38
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析