9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
タオルケットに包まれたまま寝返りをうつ。空調の効いた室内で、何をするでもなく日がな一日中だらだらする事が最近のマイブームである。
気が付けば高い位置にいた太陽は西に傾き、そしていつの間にか辺りはほの暗くなっていく。そうして一日が終わる。ごく一般的な高校生の夏休みなんて、そんなもんだ。
『なー宿主。いい加減外出ようぜ。不健康すぎンじゃねェの。』
けれど生憎、僕は普通の高校生とは少々異なっていた。最近は専ら背後霊の類だと思う事にしているが、うるさい憑物が僕の心の中に巣食っているのだ。こいつはどうやらだらだらするだけ、が性に合わないらしい。随分とアウトドア派な悪霊が憑いてしまった事だ。僕は完璧にインドア派だというのに。
『うるさいなぁ。良いじゃないお金も使わないし、経済的でしょ。』
お前の意見なんて聞いてない。そう言いたくて耳に手をあてて聞こえないフリを試みる。とは言っても、こいつの声はダイレクトに脳に響くから全く意味を成さないのだけれども。
『海!海行こうぜ!海!』
『聞こえない!聞こえないよー!』
そうやって声高に抗議しても、目の前をこいつがひたすらぐるぐると動き回る。ウザいししつこい。僕は外に出たくないんだ。友達と遊ぶならまだしも、暑いし、疲れるし、用も無いのに出歩くなんて愚の骨頂だよ。
これはいよいよ立て籠もりの段階に入るしかないとタオルケットを頭まで被りかけたその時だ。
『砂漠育ちの俺様にはテメェの境遇が羨ましいってのによォ・・・』
何処で覚えてきたのか、目の前のウザったい幽霊は、殊勝な態度に切り替えだした。
しゅん、とうなだれる気配に少しぐらつくけれど、しかしこの僕に泣き落としは通用しない。
だって僕は、自分が一番なんだもの。
『・・・お前はニートか!』
泣き落としが通用しないと気付いたお前は今度は逆ギレしだした。短気な奴だ。この身体は僕のものだから、君に口出しする権利なんて最初から存在していないというのに。
ニート?ひきこもり?
望む処だ。
最低でもあと3日はこうやって過ごすつもりだから!と宣言すると、絶望的なあああああと唸る声が聞こえた。どうって事はない。無視を決め込んでタオルケットにくるまりながら、もう一度睡眠を貪る事にする。
この幸せな生活を理解できないなんて、非国民だね。
ひきこもり、万歳!
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プロフィール
HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
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でも甘いのもあるよ。
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