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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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がたんがたん。規則的な揺れに瞼が落ちそうになる。電車というものは、どうしてこうも眠りを誘うのだろうか。決して、静寂であるとも言えないというのに。周囲の話し声やアナウンス、子どものはしゃぎ回る騒音。そういったものを受けて、けれどまるで催眠術にかけられたかの様に睡魔に襲われる。寝過ごす訳にはいかないのに、と自身を叱咤して持ち直しても、またうつらうつらと船を漕ぎだす始末だ。
『眠そうだな、宿主。』
がたんがたん。電車の揺れに合わせるかのように呟かれ、僕はすいとそちらに目を向けた。半透明の身体が宙に浮きながら、にやにやと僕の顔をみつめている。
『俺様が変わってやろうかァ?』
『やだよ。…何されるか判ったもんじゃない。』
す、と目を細めて睨みつけたけれど、お前は何処吹く風、といった様な涼しい顔だ。食えない奴だ、と心の中で毒づく。
『何もしねェよ。眠いんだったら俺様が代わりに表に出てやろうかと思ったんだがなァ。このままじゃ遅かれ早かれ寝るぜ?お前。』
『それはそう…だけど。でも、』
がたんがたん。電車に揺すられ、会話をしながらも意識は半ば落ちていく。周りには独り言の多い危ない奴だと思われているのかな、なんて気遣う余裕もない。眠いなぁ。春眠暁を覚えずと言うけれど、まさにその通りだ。もっとも、今は8月も中旬、真夏真っ盛りだけれども。
『何もしねェって。見てらんねェだけだ。』
意識が薄れていく。眠りの海に引き込まれていく。
本当かなぁ。大丈夫かなぁ。また何か悪さを企んでるんじゃないかなぁ。
そう思いながら、しかし僕はほとんど結論を導き出していた。この睡魔に打ち勝てる程の体力はもう、残ってはいないから。
何もしないの言葉を疑いながらも少しだけ信じて、僕は意識を手放す事にした。




『…信用ねェな。』




チッ、と僕と意識交代をした君の舌打ちだけが、まるでさざ波のように、耳に残った。
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すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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