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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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この傷が癒えるまでは、僕は君のものだ。君が居なくなって早数日、僕は自分自身にそう誓いだてた。左腕の傷は思ったよりも深く無く、季節が変わるまでには綺麗さっぱり癒えてしまうだろう。だから、せめてそれまでは君のもので居たいんだ。
『消えないで欲しかった、な。』
ぐるぐるに巻かれた包帯が今となっては懐かしい。泣きながらどうしてこんなことをしたの、と問詰めてやりたかった。人の身体に散々傷ばかり付けていって、それなのにお別れも言わずに消え去った馬鹿な半身に。
『ねぇ、どうして。』
けれど本当はこんな傷どうでも良かった。何か月かで癒えてしまう傷ならば、君の事を思い出す糧にもならないのだから。
取り残された僕はどうすればいいのだろうか。全て終わった、なんて言われたって納得がいかない。僕の中では始まっても居なかった君との関係を、ああそうですかで終わらせる何て出来やしない。
『僕は君のものだったのに。』
ぽつりぽつりと落とす言葉は空気中に霧散する。返事の無い空虚な空間に募る、侘しさと虚しさが蝕んでいく。君がいない、それだけなのにこんなにも苦しいだなんて予想出来なかった事態だ。
どうか今更だと、笑わないで。この傷が癒えない限り想わせて。





*******************************************************************




次の日僕に会った友人は驚いていた。
『お前、包帯取れたんじゃなかったのか。』
『うん、化膿しちゃったみたい。でもやっぱり痛くないんだ。』
『…大丈夫かよ。』
心配そうに腕の傷を見つめられて、僕は演技で大丈夫だよと微笑んだ。包帯から滲む血が言い訳には少し苦しい事も、ひょっとしたらバレバレかもしれないという事も、もうどうだっていいんだ。




僕はこれからもずっとこの傷の上をなぞり、そしてその所為で傷は永遠に治らないだろう。
どうか自己満足の上に成立つ自己犠牲、だなんて否定しないで。
永遠に彼のもので、居させて。
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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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