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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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はじめて見た月を覚えている。
綺麗なはちみつ色がほどけるように、雲の合間を縫っていた。
はじめて見た星を思い出す。
バターとミルクで造られた、甘い砂糖菓子のようだった。
それはもう、昨日の事のように思い出せると言って、僕は笑った。



星屑はやわく脆いこんぺいとうみたいだから、貴方に見せてあげる事が出来ないの。
優しい雨が続くなら途切れてしまう、天の河のように。




覚えている?
君が空を見上げながら泣きそうな顔をしていた事を。
月を見たら思い出す、と言って昔を振り返る君は儚くて、とても悪い人には見えなかったんだ。
『君が昔を思い出す間、僕ははじめて見た月を思い出すよ。』
君の過去には戻れないけれど、
振り返ることができる、たかだか十数年の記憶では君に縋れない事も判っていたけれど、
『十分だ。』
そう言って笑った君を、僕は心に刻み込む事にした。




空にはやがて太陽が昇り、貴方を想わす月は沈んでいってしまうの。




『忘れないで』




闇夜を想わせる漆黒のコートは忘れ形見。
はじめて見た月を思い出す日はもう、二度と来ない。
星屑を無理にでも見せてあげたかった。
雨が続いても、天の河も見せてあげたかった。




『忘れないから』




はじめて見た闇夜は恐ろしく感じたけれど、
案外優しい事もちゃんと判っているから大丈夫。
君は悪い人だったかもしれないけれど、
意外に僕に触れる手は優しかったから。
だからきっと大丈夫。




はじめて見た月も、
はじめて見た星も。
まるでお前みたいだね、と、
もう此処には居ない君に投げ掛けて、
僕は少しだけ泣いた。
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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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