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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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とびきり優しくしてやるよ、と組み敷いてきた身体は本来、僕の物なのだ。自分の身体を使った別人が自分自身を押し倒している、なんてとてもシュールだとは思わないか。僕がお前なら、はっきり言って御免だ。
『本気?』
組み敷かれながら言う台詞では無いな、とは思ったけれど、口をついて出てしまっては訂正のしようがない。案の定、何を今更、と言いたげな顔が近付いて、本気だと言う為なのか見せしめなのか判らない口付けが舞い降りた。瞼への接吻に、眼球がびくりと強張るのが判る。
だって君ならばこの瞳を抉る位できそうなんだもの。
『怖がんなって。』
けれど抉り取る事もせず、ただ瞼を掠めただけで唇は離れていった。そのまま頬だとか眉間だとかの上を、驚く程緩慢な動作で唇が蠢く。本気なんだ。押し倒された時から判っていた事だけれど、再確認してしまう。その事にかぁ、と顔に熱が集中し、今自分が酷く女々しい表情をしているのが判ってしまってどうしようもない。勿論、お前にも筒抜けなんだろう。顔赤い、だなんて言わないけれど、にやにやと意地悪な表情を貼り付けている事からも楽々推測出来る。意地が悪いよ。そんなに甘い顔で求められちゃ、抵抗も出来やしない。憎むべき存在である筈のお前に、よもや此れから足を開く事になるなんて、想像もしていなかった。




『僕、裏切り者なのかなぁ。』




ベッドに縫い付けられた身体を、例えば少しでも動かしたなら。お前が僕を無理矢理犯して、蹂躙しようとしたのなら。
それならば、一転して僕は悲劇のヒロインになるだろう。精一杯自分に出来る抗いは行なったのだと、言い訳も存分に用意される。
しかし、君は優しい。優しすぎるくらいに蕩けそうなキスを施して、僕を惑わしていく。抵抗する気も起きない、とはこの事だ。
とびきり意地悪な君の、とびきり悪趣味な趣向はけれど、とびきり優しく包む事で僕の思考を甘やかす。盛大に。




『判ってンじゃねェか。』
くく、と喉の奥で笑いながら僕の頬を撫でる。そのまま首筋から胸元、臍、中心へ。そうだね、もう逃れられない。そして逃れる気も起きない。
僕は裏切るんだ。大切な仲間を。そして人道も、道徳も、全て残さず踏みにじる。
それでも最低な人間だと罵られようとも、もう止められない。




『優しくしてね。』




とびきり優しい情事の先に広がるのが深い絶望だとしても、優しいお前には誰も敵わないよ。
だから後悔する暇も与えず、甘やかしてね。



優しくしてね。
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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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