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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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耳に甘く歯を立てて、君の体の中鈍い痛みが電気信号の様に駆け巡れば、
其れがいつもの合図だから。
いつのまにか暗黙の了解になっていた、狼煙。




空腹の紛らわせ方




どうしてそうなったか、は判らない。けれど多分腕を首に回すよりも、其の方が確実だったからだ。わざわざ僕の方から抱いて、なんて言わなくたって、其れで気付いて貰えるというメリットが存在している。軽く濡らす様に舌先で耳の感触を楽しんで、そうして眉根を寄せる一瞬の表情に満足した後、君の其の耳に歯を立てる。
痛みが鈍く体中を駈け巡りぞくりと背面を波打つ感覚は、始まり以外の何者でも無い。
『お腹空いたね。』
そう云うと、それから漸くぐるりと君の首元へと腕を回した。目線は合わせず、そのまま引きずるかの様に床へと雪崩れ落ちる――けれど其処が床で在ろうが寝具の上で在ろうが、僕にはどうだって良かった。これ以上無いという位、空腹だったからだ。外に出かけるのが億劫で家の中でだらけていても、生存本能が働いて腹はへる。とは言え、冷蔵庫に食べ物が存在していたかなんて、曖昧だ。もう大分前に食べ尽くしてしまった様な気がして確認する気すらおきない。せめて食料確保のために外に出ようかとも思ったけれど、ちらりと目線を窓へと移行させた時に見えた外の景色が雨模様で、外出する気もすっかり失せてしまった。
だからこうして、時間稼ぎで空腹紛れの安易な行為に走ってしまうのだ。
ね、と同意を求める様にようやく君の顔を覗き込むと、益々眉間に皺の寄った表情が視界に広がる。乗り気じゃないのかな、とも思ったけれど、とにもかくにも君だって空腹では在るのだから、快楽に埋もれてしまえば楽なのだ。
だからそのまま、君も回された腕を振り解くなんて愚かな事はしなかった。誘いを受ける形で手は下へ下へと滑り落ちる。
勿論、君の顔にはまだ苛ついた感が否めない険しい表情が張り付いていたけれども。
僕の誘いを受けた時点で選択肢なんて用意されてないんだから、諦めてね。




『お前だけ喰べて生きていけたら良いのになぁ。』
そう云って求める様に君の唇を割って入って絡めた舌先から、
『それで、お腹いっぱいになれたらなぁ。』
そう言って突き放す様に君の歯を舌先で舐め取ってから、




耳に甘く歯を立てて、痛みが鈍く体中を駆け巡る様に噛みつく、
合図から始まる、紛らわせる為だけの甘い行為を、此から押し寄せる快楽を、感じながら。
生きて行けたらなぁ、ともう一度、小さく呟いてから目を閉じた。
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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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