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9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。 二ヶ月弱ですがありがとうございました。
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『ねえ』
千年リング、という物体に宿るお化けみたいな存在に話しかける。
たかが無機物だと言えど確かに其処には君が存在していて、まったく、科学なんて何の根拠にもならないなぁと思った。
君は眠っていたのかしらないけれど酷く不安定なビジョンで現れて。
それでも律儀に僕の問いかけに答える。
『なんだよ。』
ぶっきらぼうに聴こえるけれど、此れが君の自然体なんだよね。
そう気付いてからというもの、畏怖の存在から一転して興味の対象になっていった。
千年アイテムの秘密を知りたいと思っていたけれど、今はそれよりも気になる事が出来たと言ったら、君はどんな顔をするかなぁ。
君の事をもっと知りたいよ、なんて、僕は少し可笑しいんだ。




『昔の君ってどんなだったの。』




色々聞きたいことがたくさんあって。
時間が足りないとすら思っていた。
すきな食べ物、好きな場所。
そういう取り留めの無いことを質問しては、くだらないと言いつつも答えてくれていたから。
だから自惚れていたのかもしれない。
何を聞いても教えてくれると思っていたのは事実で、今この瞬間、何も考えずの発言だって、ちゃんと答えてくれると思っていた。
けれど、その質問は君にとってのタブーだったらしい。
さっと表情に陰りが見えた、と思うや否や、まるで初めて出会った時の様な冷たい声音で返される。
『お前には関係ない。』
ピシャリと言い放たれて、背筋が凍る。
誰にでも聞かれたくない事はある、という事をすっかり忘れていたと気付いたときには、遅かった。
ごめんなさい、と謝る暇もなく君はリングの中深くに引っ込んでしまったらしく、姿が見えなくなってしまう。
自惚れていたんだ。
世界を滅ぼそうとする悪者はけれど僕にだけは優しいと、勘違いも甚だしい。
なんだか呼吸器に穴が開いたみたいだ。




呼吸器をも貫く大きな風穴。
息を吸い込んだって其処からひゅうひゅうと抜けていってしまう。
言葉は鋭利な刃物の形をしていると言うけれど、きっとそれ以上だ。
君の存在そのものが僕にとっては茨の棘。




君の一挙一動に驚くほど狼狽してしまう。
ナイフに抉られた心は、君が許してくれるまでぽっかりと開いたままなのだろう。
見えなくなってしまった君にうわごとのように何度もごめんなさいと、繰り返した。
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HN:
すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
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