9/2の宿主様の誕生日をもちましてバク獏100枚書けたのでサイト閉鎖しました。
二ヶ月弱ですがありがとうございました。
君は一つ重大な過ちを冒した。選択を見誤ったという事だ。3000年も生きてきたというのに、馬鹿げた話だ。
『や、・・・ぬ・・・』
『聞こえないよ。』
ぎり、と首を絞める。締め上げる。血液が上手く循環出来なくてこの掌の下で藻掻いているのか、と見当違いな思考を巡らせながら君の首筋に力を込める。二心同体、という事は僕は今自分で自分の首を絞めているに違いない、という事なのだ。文字通り。きっとこんな経験は、なかなか無い。
僕は何も君が嫌いだからとか、君を消し去りたいからとか、そんな単純な思惑で動いているわけじゃあ無いよ。
『ねえ、どうして僕なんかの所に来たの、お前。』
偶然でも故意でも、其れは君自身にとって最大にして最悪の選択ミスだった。悲願の復讐を果たすのに、僕を選んでしまった事が、最初から間違いだったのだ。僕という体の良い隠れ蓑を見つけて安堵したかもしれない。これで大丈夫だとたかをくくったかもしれない。
けれど、元より僕なんかを選んでしまった事がそもそもの間違いなのだから、君にはきっと、勝ち目なんて無い。
『お前、絶対負けるよ。勝てっこないよ。』
ぎりぎり、と首を締め付ける。強く強く。けれど僕を睨め付ける瞳は依然鋭いままだった。ああ、その瞳だけで射殺せるのなら、君にだって勝ち目があるのかもしれないけれど、たった一人立ち向かって行くには、君の敵は強すぎる。
もう復讐なんてやめて、此処に居てよ。ずっと此処で僕と暮らそうよ。
憎まれるべき借宿に思いを寄せられるなんて、君はとても滑稽だね。
『だから、行かないでよ。』
君は一つ重大な過ちを冒したのだ。僕を選んでしまったのだ。
僕という足枷を背負ったまま立ち向かうなんて自殺行為だと、君自身もきっと判っているのにね。
ぎゅうぎゅうと首を締め付けるのは、行かないで、の証。
何か言おうとするその口を黙らせる為の、最後の手段だ。
『聞きたく、無い・・・。』
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プロフィール
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すめ。
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1987/05/02
自己紹介:
Coccoだいすき愛してる。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
と思ってるぐらい頭沸いてる。でも書く小説は全くそんなことはなく、たいがい甘くない。
でも甘いのもあるよ。
ほぼバク獏でたまに他。みたいな感じ。
ばくばくは結婚して第三子おめでたくらいいってる。
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